「What」ばかりで「Why」を問わない理由とは?

すずきち
ChatGPT DALL-E 3 にて著者作成

『Why型思考トレーニング』という本を読みました。

日々の仕事や生活の中で、「What(何をするか)」ばかりに意識が向いてしまい、「Why(なぜそれをするのか)」を深く考えないことはありませんか?

例えば、仕事で上司から「これをやっておいて」と指示を受けたとき、素直に従って作業を進めることが多いでしょう。でも、その仕事の目的や背景を考えずに進めてしまうと、「結局、何のためにやってるんだろう?」と感じることもあるはず。

では、なぜ「Why」を問わずに「What」にばかり意識が向いてしまうのでしょうか?今回は、その理由と「Why」を意識することの大切さについて、具体例を交えながら考えてみます。

なぜ「Why」が抜け落ちるのか?

1. 考えるのが大変だから

「What」は、すぐに答えられるシンプルなものが多いです。一方で「Why」は、背景や目的を掘り下げる必要があり、考える負担が大きくなります。忙しい日々の中で、つい「とにかくやること(What)をこなそう」となりがちです。

2. 学校や会社で「What」が重視される

日本の教育では、「知識を覚えること」が重視されがちです。テストでも「この年号を答えなさい」「この公式を使って計算しなさい」といった「What」を問う問題が多く、「なぜこの歴史が重要なのか?」「なぜこの公式が成り立つのか?」という「Why」を考える機会は少ないです。

会社でも、「指示されたことを正確にやる」ことが求められる場面が多く、深く考える習慣が育ちにくい傾向にあります。

3. 「Why」を問うと、面倒がられることがある

「なぜこれをやるんですか?」と上司や先輩に聞いたとき、「そんなこと考えなくていいから、言われた通りにやって」と言われた経験はありませんか?

組織の中では、「Why」を問うことが、面倒くさい、あるいは批判的な態度と受け取られることがあります。その結果、「余計なことは考えず、言われたことをやる方が楽だ」と思ってしまうのです。

4. 短期的な成果が求められる

ビジネスの世界では、素早く結果を出すことが求められます。そのため、「Why」を深掘りする時間を取るよりも、目の前のタスクを片付けることが優先されがちです。特に、締め切りが厳しい環境では、「とにかくやる!」という姿勢になりやすいですね。

「Why」を意識することで得られるメリット

では、「Why」を考えることにはどんなメリットがあるのでしょうか?

1. 仕事のモチベーションが上がる

自分がやっている仕事の目的が明確になると、「ただの作業」ではなく、「意味のある仕事」に変わります。例えば、レポートを作るにしても、「この資料を通じて、クライアントがより良い判断をできるようにするんだ」と理解すれば、やる気も変わってきます。

2. 効率的に仕事ができる

目的が分かると、「もっと良いやり方があるかも?」と考えられるようになります。例えば、単純にデータ入力をするだけでなく、「このデータを分析しやすくするには、どう整理すればいいだろう?」と考えることで、無駄な作業を減らすことができます。

3. 問題解決能力が高まる

「What」だけを考えていると、問題が発生したときに「どうすればいい?」と右往左往しがちです。でも、「Why」を考える習慣があると、「そもそも何が原因なんだろう?」と本質的な視点で解決策を探せるようになります。

「Why」を意識するための工夫

では、どうすれば「Why」を意識できるようになるのでしょうか?

日常の中で「なぜ?」を意識する

  • 「なぜ、この仕事が必要なのか?」
  • 「なぜ、このルールがあるのか?」
  • 「なぜ、この方法がベストなのか?」

「5 Whys」を使ってみる 「なぜ?」を5回繰り返して、本質的な問題を見つける手法です。

例えば、

  1. 売上が落ちている → なぜ?
  2. お客様のリピート率が下がっている → なぜ?
  3. サービスの質が落ちている → なぜ?
  4. 従業員のモチベーションが低い → なぜ?
  5. 社内の評価制度が適切でない

こうして、「何をすべきか(What)」よりも、「根本的な課題(Why)」を見つけることができます。

上司や周囲に「Why」を聞く文化をつくる 「なぜこれをするのか?」を素直に聞ける環境があると、チーム全体の理解度が深まり、より良い結果につながります。

まとめ

「What」ばかりに偏ってしまうのは、思考の負担や組織文化、短期的な成果の重視などが影響しています。しかし、「Why」を意識することで、モチベーション向上や業務効率化、問題解決能力の向上につながります。

日々の中で、「これって、何のためにやるんだろう?」と意識してみるだけでも、思考が変わってきます。まずは、小さなことから「Why」を問い直してみませんか?

あなたの「Why」が、より良い未来につながるはずです!