オンボーディングによる職員のエンゲージメント向上

近年、多くの企業が「オンボーディング」の重要性に注目しています。保育園においても、新しい保育士が園にスムーズに適応し、高いパフォーマンスを発揮するためには、最初の数か月がとても重要です。特に、職員のエンゲージメント向上の観点から見ると、オンボーディングの質がその後の仕事への意欲や定着率を大きく左右します。

では、どのようなオンボーディング施策がエンゲージメント向上に効果的なのでしょうか？この記事では、エンゲージメントの鍵となる「意義」「関係性」「成長機会」の3つの要素に注目し、実際に保育園で導入できる施策について解説します。

1. 保育の意義を理解させることが重要

新しい保育士が園での役割を理解し、自身の仕事に意義を感じられるかどうかは、エンゲージメントを左右する大きな要素です。子どもたちの成長を支えることの大切さを実感できる環境を整えることで、保育士のモチベーションが向上します。

効果的な施策

園の保育理念・方針をストーリーとして伝える 単なるマニュアルではなく、園長や先輩保育士の経験談を交えて伝えることで、新人保育士が保育の価値に共感しやすくなります。
園長や主任との対話の機会を設ける 園の方針や子どもたちへの関わり方を直接聞くことで、仕事への理解と熱意が深まります。
自身の関わりが子どもたちの成長につながる仕組みを可視化する 例えば、保護者とのコミュニケーションを通じて、子どもの成長を実感できる機会を増やすことが効果的です。

2. 早い段階で職場の人間関係を築く

保育園でのチームワークは、エンゲージメントを高める重要な要因です。新しい環境で孤立すると、職員は仕事に対する不安を抱えやすくなり、早期離職のリスクも高まります。そのため、オンボーディングの段階で「心理的安全性」を確保することが重要です。

効果的な施策

メンター制度を導入する 先輩保育士が新入職員を1対1でサポートすることで、気軽に相談できる環境を作ります。特に、最初の3カ月間は頻繁にコミュニケーションをとることが推奨されます。
ウェルカムランチや交流イベントを開催する 仕事以外の場面でリラックスした交流の機会を設けることで、チーム内の関係性を早期に構築できます。
先輩との保育の機会を増やす 例えば、新人とベテランのペアでクラスを担当し、一緒に子どもの対応をすることで、自然とコミュニケーションが活発になります。

3. 早期に成功体験を積ませ、成長機会を提供する

新しい保育士が成長を実感できるかどうかは、エンゲージメントに大きく影響します。仕事のやりがいを感じるためには、「自分が子どもの成長に貢献できている」という実感が必要です。

効果的な施策

早期に達成可能なタスクを与える 例えば、「子どもたちと1週間で信頼関係を築く」など、具体的な目標を設定することで、自信が高まり、より積極的に業務に取り組むようになります。
定期的なフィードバックを実施する 1か月、3か月、6か月ごとに主任やメンターからフィードバックをもらい、成長を実感できる環境を作ることが重要です。
キャリアパスを明示する 「この業務を習得すると、次にどのような役割を目指せるのか」を明確にし、将来の成長イメージを持たせることで、モチベーション向上につながります。