子どもたちの成長にとって、「主体的な活動」はとても重要な要素です。保育の現場では、子どもが自ら考え、遊びや学びを深めていく環境を整えることが求められています。では、主体的な活動とは具体的にどのようなものなのでしょうか?また、どのように保育に取り入れていけばよいのでしょうか?
主体的な活動とは?
「主体的な活動」とは、子どもが自ら興味を持ち、自発的に環境と関わりながら試行錯誤し、遊びや学びを深めていくことを指します。
また、「環境を通して行う保育」の視点から、子どもが自らの興味や関心に基づいて活動できるよう、保育者が適切に援助することが重要です。
そして、子どもが自分で選び、工夫しながら遊べるような環境を用意することが求められます。
なぜ主体的な活動が重要なのか?
子どもが主体的に活動することには、次のような重要な意義があります。
① 意欲や探究心が育まれる
自分の興味をもとに活動することで、「もっと知りたい」「こうしたらどうなるだろう?」という探究心が生まれます。例えば、砂場遊びで「高い山を作りたい!」と思った子どもは、どうすれば崩れないのか試行錯誤を繰り返します。この過程を通じて、考える力が育まれるのです。
② 自己表現の力が身につく
自由な遊びを通して、子どもは自分の思いやアイデアを表現する機会を得ます。例えば、ままごと遊びでは「お母さん役」や「お店の人役」などを演じる中で、自分の考えや感じたことを言葉や行動で表現する力が育ちます。
③ 友達との関わりが深まり、協力する力が身につく
子ども同士で遊ぶ中で、「一緒にやろう!」「こうしたらどう?」と相談したり、協力したりする経験を積むことができます。これは、社会性やコミュニケーション能力の発達にもつながります。
主体的な活動の具体例
① 砂場遊び:試行錯誤しながら形を作る
📍 実践例
ある園では、砂場にバケツやスコップだけでなく、水を使うことも許可しています。すると、子どもたちは「水を混ぜると山が崩れにくくなる!」と気づき、自分なりに試しながら遊びを発展させています。
✅ ここがポイント!
- 保育者は「こうやって作るんだよ」と教え込むのではなく、子どもが試行錯誤できるような環境を用意する。
- 「どうしたら崩れないかな?」と問いかけ、考えるきっかけを与える。
② 絵本の読み聞かせの後にごっこ遊びを展開
📍 実践例
「おおきなかぶ」の絵本を読んだ後、子どもたちが自分たちで「うんとこしょ、どっこいしょ!」と再現し始めました。次第に「うさぎさんも手伝うよ!」「カエルも引っ張るよ!」と、ストーリーがどんどん広がっていきました。
✅ ここがポイント!
- 読み聞かせの後に「どんなお話だったかな?」と問いかけ、子どもが自発的に遊びを発展させる余地を残す。
- 小道具(かぶのぬいぐるみなど)を用意し、子どもの想像力を刺激する。
③ 自然探索:園庭や散歩での発見を大切に
📍 実践例
園庭でどんぐりを拾った子どもが「これでお店屋さんごっこしよう!」と言い出し、どんぐりを「お金」に見立てた遊びが始まりました。そこから「レジを作ろう」「メニューも作ろう」とどんどん遊びが広がっていきました。
✅ ここがポイント!
- 「どんぐりたくさん拾ったね」だけで終わらせず、「何かに使えるかな?」と問いかけ、子どもが自分で考える余地を残す。
- 遊びが広がるように、紙やペンを用意し、子どもがメニューを書いたりできるような環境を整える。
まとめ
子どもが「主体的な活動」をするためには、保育者が適切な環境を整え、子どもが自由に試行錯誤できるような機会を提供することが大切です。
✅ ポイントをおさらい!
- 子どもが自ら興味を持ち、活動を進められる環境を作る。
- 保育者は指示をするのではなく、問いかけや援助を通して子どもが考える力を伸ばす。
- 友達との関わりを大切にし、協力しながら遊べるようにする。
保育所保育指針解説にもあるように、「環境を通して行う保育」の視点を大切にしながら、子どもが自ら学び、成長できる場を作っていきましょう!
📌 最後に…あなたの保育の現場では?
みなさんの園では、どのような場面で子どもが主体的に活動していますか?ぜひ、日々の保育の中で「子どもが夢中になっている瞬間」を観察し、その環境づくりを工夫してみてください!