苫小牧市福祉事業協会では、各保育園の副主任保育士が全ての職員に対して「よりよい職場づくりアンケート調査」を昨年度から実施しています。
今年度もアンケート調査を実施し、副主任保育士会議の終了後、集計作業及び調査結果の分析を始めています。
「子どもたちに関すること」と「保護者や同僚からの反応」
アンケート調査の質問のひとつに「この1年、仕事でモチベーションが上がった、嬉しかったことは何ですか?」といった質問があります。
今回は、どのような回答が多かったのでしょう?(実際の調査では保育士以外の職種の回答も含まれているため、今回は保育に関する回答のみを抽出・集計した結果を記載しています。)
保育士のモチベーションが上がる瞬間、もしくは嬉しいと思う瞬間は、大きく分けて2つあることが調査結果から分かっています。
「子どもたちに関すること」と「保護者や同僚からの反応」の2つです。
子どもたちに関すること
最も保育士がモチベーションが上がり、嬉しかったことは「子どもたちの成長を感じられたとき」でした。これを回答とする保育士が多かったです。
保育指針でも成長についてはいくつか書かれています。
保育士等との信頼関係を基盤に、一人一人の子どもが主体的に活動し、自発性や探索意欲などを高めるとともに、自分への自信をもつことができるよう成長の過程を見守り、適切に働きかける。
保育における「養護」とは、子どもの生命の保持及び情緒の安定を図るために保育士等が行う援助や関わりであり、「教育」とは、子どもが健やかに成長し、その活動がより豊かに展開されるための発達の援助である。
保育及び子育てに関する知識や技術など、保育士等の専門性や、子どもが常に存在する環境など、保育所の特性を生かし、保護者が子どもの成長に気付き子育ての喜びを感じられるように努めること。
やはり、保育士として子どもの成長は一番気になるところなのかもしれません。
次に多かったのは「子どもたちの笑顔が見られたとき」でした。
誰でも人の笑顔を見るのは嬉しい気持ちになりますよね。毎日たくさんの関わりを持つ子どもたちの笑顔はまさにモチベーション、嬉しさの源泉です。
保育士に対するアンケート調査ではこういった回答が多いのが普通なのかもしれませんが、実際にこれらの回答を見て、保育士の自慢をしたくなるほど、事業協会の保育士は子どもたちのことを考えている保育士が多いのです。
【 12月 保育園のおたより(園だより)の書き出し、文例 】
保護者や同僚からの反応
保育をする中で「保護者や同僚から感謝されたときや、褒められたとき」もモチベーションが上がり、嬉しいという調査結果が出ています。
確かに、保護者の方から感謝の言葉を言われたときには、毎日の大変だったことなんて全て吹っ飛ぶと保育士から聞いたことがあります。それだけ感謝や褒めるということは大きな力を秘めています。
「ありがとう」「良かったよ」「頑張ったね」などのたったひと言で、やる気が出たり、気分が良くなる。
少し話はそれますが、実はこれこそが、マネジメントの基本となります。つまり、「内発的動機=やる気」を如何にして高めるかです。
このことから、園長や主任保育士が積極的にこのような言葉がけをすることが、職員のマネジメントにも繋がっているんだということを意識してほしいと思います。
【 潜在保育士 職場復帰支援「保育園体験プログラム(有給)」 】
保育士が考えた保育内容や取組みを試すことができる組織に
アンケート結果では他にも関連するものとして、「自分で考えた保育内容や取組みで、子どもたちが喜んでくれたり、周囲から認められたとき」といったものもありました。
社会福祉法人の歴史から、行政の代理として画一的なサービスの時代は確かにありました。
でも今は違います。
行政が決めたとおりに同じことだけやっていれば良いのではなく、自分たちが考えてみた保育の内容や取組みを実践して、子どもの成長や笑顔に繋げる。
それが保育園、保育士の役割でもあります。
苫小牧市福祉事業協会は、所属する保育士に保育内容や取組みのアイディアを出し続けてもらい、それを試すことができる組織でありたいと考えています。