先生と子どもたちのスコップ遊び ― フェンスまわりで広がる土あそび

環境を通して行う保育

1歳児クラスの担任が園庭のフェンスのまわりをスコップでならしていると、数人の子どもたちが集まってきて、一緒にスコップで土遊びを始めた。
環境を通して行う保育 事例1

子どもの成長・最善の利益との関連

  1. 身体的発達への寄与
    内容:スコップを使って土をならす動作は、腕や手首の筋肉を使い、全身のバランス感覚や体幹の安定にもつながります。また、しゃがんだり立ち上がったりする動作を繰り返すことで基礎的な運動機能が育まれます。
    環境の構成:
    • 物的環境:スコップ、園庭の土、フェンス周りのスペース
    • 自然環境:土の質感、気温、風など屋外ならではの感覚刺激
  2. 社会的発達への寄与
    内容:担任が作業する様子に引き寄せられ、数人の子どもたちが自然に集まり一緒に遊ぶことで、模倣、共同活動、順番を待つ経験などが生まれます。人との関わりを通して、仲間意識や協同性が育ちます。
    環境の構成:
    • 人的環境:担任の姿、集まった友達
    • 社会的環境:同じ目的(スコップで土を扱う)を共有する場面
  3. 情緒の安定と安心感
    内容:信頼する担任の近くで遊ぶことは安心感を与え、情緒の安定につながります。大人の存在を基盤に自発的な活動が展開される点で、心の安定を得やすい場面です。
    環境の構成:
    • 人的環境:担任の落ち着いた姿、安心できる大人との関わり
    • 自然環境:屋外で開放的に遊べる空間
  4. 探究心や感性の育ち
    内容:子どもたちは土の柔らかさや硬さ、ならした後の形の変化を感じ取りながら、自分で試したり観察したりする活動を楽しみます。これは自然事象への興味や探究心の芽生えにつながります。
    環境の構成:
    • 自然環境:土の感触や変化
    • 物的環境:スコップを通して土に働きかける体験

活動をさらに展開するアイデア

  • 土に水を加えて泥の変化を楽しむ活動へ発展させる。
  • ならした場所に模様を描いたり、型抜きをしたりして表現活動につなげる。
  • 友達と一緒に「道」や「山」などをつくり、共同の目的をもって遊びを広げる。
  • 季節ごとに土の変化(乾燥、湿り気、草の芽生え)を感じる機会をもつ。

「保育のねらい・内容(5領域)」での整理

  • 健康:スコップを使って体を動かし、体幹や全身運動を育てる。
  • 人間関係:担任や友達と一緒に遊ぶ中で、模倣や共同作業を経験する。
  • 環境:土や道具を使い、自然や身近な環境に主体的に関わる。
  • 言葉:担任や友達とやり取りしながら、「ならす」「固い」「柔らかい」などの言葉を体験と結びつける。
  • 表現:土をならすことで形の変化を楽しみ、自由に創作やイメージを広げて表現する。