おやつ後の片付けにほっこり ― 保育士同士の思いやりの声かけ

環境を通して行う保育

A保育士が、おやつの後片付け時、お盆(トレイ)を2つ重ねて持っていこうとしたB保育士に、「ありがとうね。無理しないで!」と声をかけていた。
環境を通して行う保育 事例2

子どもの成長・最善の利益との関連

  1. 安心感と情緒の安定
    内容:子どもは大人同士のやり取りをよく見ています。保育士同士が「ありがとう」「無理しないで」といった優しい声かけを交わす姿を目にすることで、人への信頼感や安心感をもちやすくなり、情緒の安定につながります。
    環境の構成:
    • 人的環境:保育士同士の関わり
    • 社会的環境:職員間の協力と配慮がある職場風土
  2. 人間関係のモデル学習
    内容:互いに思いやりをもって接する姿は、子どもにとって対人関係のよいお手本となります。「ありがとう」という感謝の言葉や「無理しないで」という気遣いは、子どもが人に対して優しく言葉をかける力を育てます。
    環境の構成:
    • 人的環境:やり取りを交わす大人の姿
    • 社会的環境:感謝や配慮が共有される文化
  3. 言葉の習得とコミュニケーション力の発達
    内容:日常の中で感謝や気遣いの言葉を耳にすることで、子どもは「ありがとう」「大丈夫?」などのやり取りを自然に覚え、言葉を通した人との関わり方を学んでいきます。
    環境の構成:
    • 人的環境:子どもに聞かせる大人の言葉
  4. 協力的な雰囲気づくり
    内容:保育士同士が協力し合う姿は、子どもにとって「一緒にする」「助け合う」ことの価値を実感できる環境づくりにつながります。集団生活を安心して過ごす土台になります。
    環境の構成:
    • 人的環境:協力する保育士の姿
    • 社会的環境:協同作業が自然に行われる日常生活

活動をさらに展開するアイデア

  • 子ども同士でも「ありがとう」「どうぞ」「手伝おうか」などの声かけを促す遊び(ごっこ遊びや片付け活動)につなげる。
  • 日常の保育の中で、子どもが自然に感謝や思いやりの言葉を使えるよう、保育士が積極的にモデルとなる。
  • 「ありがとうのことば集め」など、日々の生活の中で見つけた優しい言葉を紹介する場を作る。

「保育のねらい・内容(5領域)」での整理

  • 健康:安心できる大人同士の関わりがあることで、子どもが穏やかに生活できる。
  • 人間関係:感謝や気遣いのやり取りを通して、人との関わり方を学ぶ。
  • 環境:安心感を与える人間関係が日常環境の一部となり、生活の安定につながる。
  • 言葉:感謝や思いやりを表す言葉を聞き、自然に獲得していく。
  • 表現:やさしい言葉をまねたり、自分なりに相手への思いを言葉で表すことができるようになる。

この場面は、子どもの直接的な活動ではなくても、「人との関わりを通して育つ力」に大きくつながる重要な保育環境の一部といえます。