保育所保育指針 保育所保育に関する基本原則(1)

用語集
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(1)保育所の役割
ア 保育所は、児童福祉法(昭和 22 年法律第 164 号)第 39 条の規定に基づき、保育を必要とする子どもの保育を行い、その健全な心身の発達を図ることを目的とする児童福祉施設であり、入所する子どもの最善の利益を考慮し、その福祉を積極的に増進することに最もふさわしい生活の場でなければならない。
イ 保育所は、その目的を達成するために、保育に関する専門性を有する職員が、家庭との緊密な連携の下に、子どもの状況や発達過程を踏まえ、保育所における環境を通して、養護及び教育を一体的に行うことを特性としている。
ウ 保育所は、入所する子どもを保育するとともに、家庭や地域の様々な社会資源との連携を図りながら、入所する子どもの保護者に対する支援及び地域の子育て家庭に対する支援等を行う役割を担うものである。
エ 保育所における保育士は、児童福祉法第18条の4の規定を踏まえ、保育所の役割及び機能が適切に発揮されるように、倫理観に裏付けられた専門的知識、技術及び判断をもって、子どもを保育するとともに、子どもの保護者に対する保育に関する指導を行うものであり、その職責を遂行するための専門性の向上に絶えず努めなければならない。

保育所保育指針

ア 保育所の役割と子どもたちの最善の利益

保育所は、子どもたちの健全な心身の発達を助けるための児童福祉施設です。ここでは、子どもたちの最善の利益を考慮し、その福祉を積極的に増進することが重要です。保育所は子どもたちにとって最も適した生活の場でなければなりません。

解説

  • 児童福祉法の理念: 保育所は、児童福祉法に基づき運営され、子どもたちの健全な心身の発達を目的としています。この法律は、子どもの最善の利益を積極的に増進することを核とした理念を持っています。
  • 国際的な背景: 「子どもの最善の利益」は、児童の権利に関する国際条約に基づく概念で、子どもの権利を象徴する言葉です。これは、子どもの人権を尊重し、大人の利益よりも子どもの利益を優先することを示唆しています。
  • 保育所の責任: 保育所は、一人一人の子どもの心身の健やかな成長と発達を保障する責任があります。これには、適切な環境作りや日々の生活の流れを整え、子どもたちが様々な人と出会い、関わり、心を通わせる経験を積むことが含まれます。

イ 保育所における子どもの成長を支援するための総合的アプローチ

保育所では、専門的な知識を持つ職員が、家庭と密接に連携しながら、子どもの状況や発達を考慮して、養護と教育を一体的に行います。これは保育所の重要な特性です。

解説

  • 専門性を有する職員による保育: 保育士や看護師など、保育所の職員は各自の専門性を生かしながら保育に当たっています。職員は自己省察を重ね、常に保育の質を向上させることが重要です。
  • 家庭との連携: 保育所での保育は、保護者との協力によって行われます。保護者の育児姿勢を支援することも保育所の役割です。
  • 発達過程の理解: 子どもの発達は、環境との相互作用を通じて行われます。保育所は、子ども一人ひとりの発達段階に合わせた対応が求められます。
  • 環境を通した保育: 子どもは、日常の体験を通じて心身を育てます。保育所は、子どもの興味や欲求に応じた環境を提供することが大切です。
  • 養護と教育の一体性: 保育所での養護は、子どもの生命の保持と情緒の安定に向けた配慮を意味します。養護と教育は一体的に行われるべきで、子どもの個性豊かな自我の形成を助けます。